平屋

今回は「築20年の木造平屋を売りたいんだけど、どれくらいの金額で売れるだろう?」「空き家になっている実家の不動産はどれくらいの価値があるだろう?」といった疑問にお応えするため、不動産売買の専門家である管理人が木造平屋の築年数と売却相場の関係について調べさせていただきました。

一般的に平屋の建物は足場がなくても外壁塗装ができますし、屋根の葺き替えも簡単に行えます。そのため、流通市場での人気が高く、築年数が経った物件でも価値が落ちにくい特徴があります。

木造平屋一戸建ての価値

木造平屋一戸建ての価値や売却相場を求める公式は「土地の価値+建物の価値=不動産の売却相場」となります。

土地の価値を求める場合「相続税路線価から算出する方法」が簡単に計算できるのでオススメです。不動産業者の間でも利用されている方法ですし、レインズなどの取引データが見れなくても簡単に計算ができます。

平屋建物の築年数と価値の関係

不動産の評価で最も難しいのが建物の評価です。建物の価値の求め方は「建物の売出価格を決める評価・査定方法」で掲載していますが、木造平屋の場合、解体費用が安い事から一般的に下記のような建物価格の推移になる事が知られています(レインズなどの売買データから「成約価格−土地値=建物価格」で算出)。

築年数 建物価格
築5数 新築価格の70%程度
築10年 新築価格の50%程度
築15年 新築価格の30%程度
築20年 新築価格の10%程度
築25年 0万円程度
築30年 0万円程度
築35年 -10万円程度
築40年 -30万円程度
築45年 -50万円程度
築年数 建物価格
築5数 新築価格の75%程度
築10年 新築価格の60%程度
築15年 新築価格の40%程度
築20年 新築価格の28%程度
築25年 新築価格の16%程度
築30年 新築価格の8%程度
築35年 0万円程度
築40年 -30万円程度
築45年 -50万円程度

仮に新築時の価格を1000万円と仮定すると下記のような推移で建物価格が下落していきます。通常の2階建て住宅と異なる点としては解体費用が安いため築年数がたった物件でも解体費用分のマイナスが少ない点です(通常の木造一戸建ての場合、解体費が100万円程度かかります)。

平屋建物価格推移

また、平屋はリフォームやリノベーション費用が安く済むため不動産投資家に人気があります(ちなみに管理人自身も所有している会社で不動産投資をしています)。そのため、建売系の平屋だとしても築30年程度では建物価格=0円で取引される事が多いです。

築35年の木造平屋一戸建ての売却相場の計算

相続税路線価

それでは具体的に築35年の木造平屋一戸建てで現在、空き家になっている不動産の売却相場について計算していきたいと思います。土地の所在は東京都八王子市暁町2丁目の赤丸(97D)の路線価に属する地域と仮定してみました。

すると相続税路線価は97000円となり、仮に、土地の面積が90㎡の場合「97000÷0.8×90=10,912,500円」なので、約1100万円が土地の価値ということになります。

計算方法の説明

該当地域の相続税路線価は路線価図全国地価マップから調べることができます。また、土地の価値を求める方法(積算価格法)については「相続税路線価から算出する方法」で掲載しています。

土地が約1100万円と求められたので続いては建物価格を求めます。建物価格は築35年の場合、リノベーションなどを行っていない限り「平屋建物の築年数と価値の関係」で説明した通り0円程度の価値が相場です。

そのため、東京都八王子市暁町2丁目にある土地90㎡の築35年の木造平屋一戸建ての売却相場は1100万円前後という事がわかります。

木造平屋の売却相場の求め方まとめ

いかがだったでしょうか?すべての不動産について今回計算した通りに行くわけではなく、リフォームやリノベーションをしている場合、価値が異なります。また、道路の接道状況などによっては売却相場が大幅に下がる可能性もあります。

しかし、今回紹介したような方法を利用し、不動産の売却相場を知ることで不動産会社に騙されたり、相場より大幅に安く売ってしまうリスクを下げることができます。今回の記事が木造平屋売却の参考になりましたら幸いです。