外国人

管理人は行政書士としてビザ手続きをよく行うので、今回はビザ手続きの詳細について少し記載して行きたいと思います。

ビザ手続き(在留資格手続き)は出入国管理及び難民認定法を根拠に手続きを行います。実務的には審査要領やガイドライン、判例、外国人からのヒアリングをベースに書類を作成し、外国人に代わって申請取次者として入国管理局へ書類を提出します。

相続遺言業務に比べると単価は安いのですが永住などを除くと許可までの時間が短く、量をこなす事ができるため専門として行うのならば収益性は悪くないです(まともに業務ができるようになるのには少なくとも300時間程度は勉強が必要です)。

永住者の配偶者等(配偶者ビザ)

永住者の配偶者等とは永住者の在留資格を持って在留するもの若しくは平和条約国籍離脱者等、入管特例法に定める特別永住者の配偶者または永住者、特別永住者の子として日本で出生しその後、引き続き日本に在留している者を言います。

該当する外国人

  1. 永住者の在留資格でもって在留する者の配偶者
  2. 特別永住者の配偶者
  3. 永住者の在留資格をもって在留する者の子として日本で出生し、出生後、引き続き日本に在留する者
  4. 特別永住者の子として日本で出生し、出生後引き続き日本に在留する者

上陸の為の基準と注意点

この在留資格は「日本人配偶者等」と同様その身分を根拠とするものなので、入管法7条1項2号にいう上陸審査基準(上陸許可基準)は適用されません。しかし、法的及び実体的な婚姻関係の真実性、親子関係の真実性が問われます。

申請時における注意点としては「日本人配偶者等」と同様、社会通念上の夫婦共同生活を営むという婚姻の実態を説明しなければなりません。

日本人の配偶者等(結婚ビザ)

「日本人の配偶者等」とは、日本人の配偶者もしくは民法817条の規定による特別養子又は日本人の子として出生した者を言います。

該当する外国人

  1. 日本人の配偶者
  2. 日本人の特別養子
  3. 日本人の子として出生した者

上陸の為の基準と注意点

在留資格「日本人配偶者等」には入管法7条1項2号に定める上陸審査基準は適用されません。注意点としては、法律上の婚姻関係が成立していても、同居し、お互いに協力し合う等、社会通念上の共同再活を営むという婚姻の実態を伴っていない場合には、「日本人配偶者等」の在留資格が認められない場合があります。

企業内転勤

企業内転勤とは、日本に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事務所の職員が、日本にある事務所に期間を定めて転勤して、その事務所において行う「技術・人文知識・国際業務」に相当する活動を言います。

実務上、在留資格認定証明書の交付を行う場合「技術・人文知識・国際業務」に比べとりやすいので要件を満たしている場合は企業内転勤が使われる事が多いです。

ただ、日本にある事務所の安全性、継続性が認められなければならない点や、他の在留資格同様、単純作業従事者など専門性の無い職に就けない点に注意が必要です。

上陸の為の基準と注意点

上陸の為の基準としては申請人が次のいずれにも該当している事が必要です。他の在留資格に比べると上陸のための基準は緩いため実務では他の在留資格で許可が出ない外国人を企業内転勤で検討するといった対応が行われることがあります。

  1. 申請に係る転勤の直前に外国にある本店、支店その他の事務所において「技術・人文知識・国際業務」の業務に従事している場合で、その期間が継続して1年以上あること。
  2. 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

興行(興行ビザ)

興行(興行ビザ)とは、演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動を言います。風俗営業店のダンサー等は興行の在留資格で日本に在留していることが多かったですが現在は難しいでしょう。

上陸の為の基準と注意点

上陸の為の基準としては様々な要件があります。主なものとしては給与の要件、実務経験や教育機関に関する要件などが存在します。

交付申請に対する審査は、申請人、招聘会社、出演先等について検討が行われ、上陸許可に係る基準に適合したものについて許可が出されます。また、興行に係る活動には、出演者の他、サーカスの動物飼育員やスポーツ選手のトレーナーなども含まれます。

技術(技術ビザ)

在留資格「技術」とは、日本の公私の機関との契約に基づいて行う、理学、工学その他の自然科学の分野に属する技術又は知識を要する業務に従事する活動を言います。現在では「技術・人文知識・国際業務」に一本化されました。

具体的な技術分野具体的な技術分野としては、数理科学、物理化学、化学、生物科学、人類学、地質学、地球物理学、統計学、情報学、核科学、基礎工学、金属工学、航空宇宙工学、農学、濃工学、農業経済学、獣医学、生理化学、歯科学、など理系の学問とされる分野です(この他にも多くの分野が該当します)。

上陸の為の基準と注意点

上陸の為の基準としては人文知識国際業務と類似しており以下のようになっています(例外多数あり)。なお、技術と人文知識国際業務はH27年4月より一本化が図られ包括的な在留資格(技術・人文知識・国際業務)が創設されました。

①技術系の学問を専攻して大学を卒業したこと、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。

②当該技術又は知識に係る科目を専攻して日本の専修学校の専門課程を修了したこと。

③10年以上の実務経験を有すること。

まとめ

行政書士のビザ手続き業務はこのような様々なビザ(在留資格)の手続きを行います。単価は10万円以下のケースが殆んどですが慣れてくれば量をこなすことができますので、毎月5件程度の仕事をコンスタントに取ることができれば割の良い仕事になります。今回の記事が行政書士の仕事の参考になりましたら幸いです。

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