こんにちは行政書士講座比較ナビです。今回は行政書士の法廷独占業務について記載して行きたいと思います。法廷独占業務は行政書士法第1条に記載があり下記の3つとなっています。

第一条の二 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
2 行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

官公署に提出する書類とは

官公署とは国または地方公共団体の諸機関の事務所のことです。形式上は行政機関のみならず、立法機関や司法機関全てを含みますが、行政書士法第1条の2第2項にある通り他の法律において制限されているものについては業務を行うことはできません。

官公署に含まれないもの昭和52年7月12日自治行第39号神奈川県警察署長宛行政課長回答によると独立行政法人および地方独立行政法人などは官公署に含まれないと解されておりそれらへ提出する書類は行政書士業務にならない可能性があります。

裁判所・法務局・検察庁裁判所・検察庁・法務局・地方法務局などへの書類の提出は行政書士法第1条の二から行政書士業務のように感じられますが第2項の条文にあるように司法書士法や弁護士法によって実質上行政書士の業務対象から除外されています

権利義務に関する書類とは

権利義務に関する書類とは権利又は義務の発生、変更、消滅の法律効果を生じさせる事を目的とする意思表示を内容とする書類、ならびに権利義務の存在を証明する書類とされています。

一般的なものとしては契約書(賃貸借契約書など)がイメージしやすく解りやすいと思います。法律的に直接権利義務を発生、変更、消滅させる効力を持たないが、権利義務に変動を与える可能性を有する文章(契約申込書など)も行政書士業務の権利義務に関する書類に含まれると考えられています。

上記の根拠住宅・都市整備公団の入居申し込みについて権利義務に関する書類に該当するとした昭和61年4月15日自治行第55号警察庁保安部生活経済課長宛行政課長回答

事実証明に関する書類とは

事実証明に関する書類とは実社会生活に交渉を有する事実を証明するに足りる文章とされています。具体例としては履歴書や身分証明書などが該当します。

行政書士を目指そうと考えている人の中には丸山学先生の10年間稼ぎ続ける行政書士の「新」成功ルールという書籍を読んだことがある方がいると思いますがその書籍に書かれている「個人の鑑賞ないし記念のための家系図」は事実証明書類にあたらないという判例(平成22年12月20日)が出たため、鑑賞用の家系図については職務上請求を利用し、戸籍の収集をすることはできません。

しかし、相続手続きで必要な親族関係図や相続関係説明図などは行政書士業務となっており、その過程で必要な戸籍謄本の取得には職務上請求を使用することができます。

まとめ

法定独占業務まとめ

行政書士試験では行政書士法の出題がないので勉強をしませんが行政書士になった後は業際問題への対処や新業務を探すときに行政書士法の読解が必要です。行政書士の業務分野は非常に広く様々な士業(弁護士、税理士、社労士、弁理士、公認会計士など)の業務分野に隣接します(概念図は「行政書士の仕事や業務の違いと共通点」を参照)。業際トラブルに巻き込まれず収益性の高い業務を探すためにも開業前には必ず目を通すようにしましょう!

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